【日本語訳】止まらぬ時間—『パイン』で輝きを放つチョン・ユンホ by FRAMELESS｜250717

※本記事は、2025年7月17日に掲載されたユンホさんに関する記事の日本語訳です。

▼原文出典

www.frame-less.co.kr

批判に耐え、時を重ねてきた人。

『パイン』でのチョン・ユンホは、そんな積み重ねを物語るような顔つきをしていた

歌手であり俳優でもあるチョン・ユンホ（ユノ・ユンホ）が、ディズニープラスオリジナルシリーズ『パイン：ならず者たち』で自分らしいスタイルで視線を引きつけた。16日に初公開された本作で、木浦のチンピラ「ボルグ」を演じ、冒頭から荒っぽい口調と飄々とした表情で、物語の第一印象を強烈に刻み込んだ。

『パイン：ならず者たち』は、1977年、海中に沈んだ宝船をめぐり、生活のために集まった、堅実なならず者たちのだまし合いを描いた作品である。第1話で、ボルグは仲間のピルマン（ノ・ジョンヒョン）やドフン（ホン・ジョンイン）と共に不良じみた態度で登場し、新安沖に宝のような器が眠っているという噂を確かめに来たヒドン（ヤン・セジョン）に対し、飄々とした態度で警告を浴びせ、鋭い緊張感を生み出していた。

続く回では、宝を狙って集まったヒドンの一行にわざと喧嘩をふっかけ、ジョンチュル（キム・ソンオ）から奪ったジャックナイフを自在に振り回すなど、力を誇示して一触即発の雰囲気をつくり、視聴者の没入感を一気に高めた。

チョン・ユンホは、ボルグをただ荒っぽいだけの人物として描くのではなく、虚勢や計算、高圧的な一面を行き来する複合的なキャラクターとして説得力をもって表現し、物語の中で緊張感や対立構造を引っ張る役割を果たしている。

このように、複合的な感情と緊張感が求められる役どころを安定して演じきった今回の活躍は、たまたま一つの作品で輝いた結果ではない。チョン・ユンホはずっと以前から、演技という道を粘り強く歩み続けてきた。そしてその道のりは、決して平坦ではなかった。

『地面にヘディング』で浴びた批判――それでもチョン・ユンホは歩みを止めなかった

2009年、チョン・ユンホはMBCドラマ『地面にヘディング』で初めて本格的なドラマ主演に挑んだ。だが、当時の反応は冷ややかだった。「ぎこちない」「無理のあるキャスティング」といった酷評が相次ぎ、アイドル出身俳優に対する偏見も根強かった。チョン・ユンホは「自分に力が足りなかった」と頭を下げたが、たった一度の挫折で演技を諦めることはなかった。

その後もミュージカル『宮』や『光化門恋歌』の舞台に立ち、挑戦の幅を広げていき、ドラマ『野王』や『夜警日誌』などに出演しながら、少しずつフィルモグラフィーを積み重ねていった。映画『国際市場で逢いましょう』では、特別出演として歌手ナムジン役を務め、実在の人物を演じるうえでの真摯な姿勢を見せた。

努力の時間は裏切らない

チョン・ユンホは東方神起のメインダンサー兼ラッパーとしてスタートしたが、現在ではグループ内で主要なボーカルとしても安定した音域で歌いこなしている。この変化は決して容易なものではなく、遅々として進まない厳しい自己鍛錬の連続だった。ステージ上で見せてきたエネルギーと粘り強さを演技にもそのまま注ぎ込んできたチョン・ユンホは、常に自らを追い込みながら、自分の境界を広げてきた。

『パイン』でのボルグは、単なる「強面キャラクター」ではない。1970年代の空気感を映したレトロなスタイルや、こてこての全羅道の方言、そしてしなやかなナイフアクションなど、複合的要素が求められる役どころだ。チョン・ユンホはそれらを違和感なく演じ切り、シリーズが描こうとする「ならず者たちの切実な欲望とどん底のサバイバル」を説得力あるものとして描き出している。

輝きではなく、積み重ねた時間の重み

最近オンラインでは、チョン・ユンホのソロ曲『Thank U』が「レッスン」という構成であらためて話題にのぼっている。一部ではユーモラスなミームとして消費されているものの、歌詞に繰り返し登場するアドバイスは、単なる言葉遊びではない。

「哀しみも自分だけが背負うこと」「一喜一憂しないこと」「もっと強くならなければ」「どっしり立ち、バランスを崩すな」。こうした言葉は、長い時間をかけて自分を磨いてきた人だけがかけられる言葉だ。これは、ステージの外でも揺らぐことなく、自らを見つめ続けてきたチョン・ユンホの姿勢とも重なる。

だからこそ、この曲に込められたアドバイスは、単なる一曲の歌詞ではなく、チョン・ユンホという人間の、揺るぎない内面から生まれたものだ。その内面は、ステージの上だけでなく、冷静に向き合っていた演技という分野においても、はっきりと現れている。

チョン・ユンホにとって、演技とは単なる活動の幅を広げることではない。幾度となく失敗し、批判も浴びてきた。それでも彼は決して諦めなかった。再びステージに立つという形で、そしてひたむきな挑戦を続けることで、自ら進むべき道を切り拓いてきた。

『パイン：ならず者たち』の中のボルグは、そんな長い試行錯誤の末にたどり着いた新たな軌道であり、長い年月をかけて自分を鍛えてきた者の次なるシーンなのだ。

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