※本記事は、2025年7月21日に掲載されたユンホさんのパインに関する記事の日本語訳です。
▼原文出典
最近ミームで再注目されているユノユンホの楽曲『Thank U』の歌詞には、3つのレッスンが込められている。「良いことは自分だけが知っていること」「哀しみも自分だけが背負うこと」「一喜一憂しないこと」。楽曲が再び脚光を浴びるなかで、次のレッスン、つまり“4回目のレッスン”は何か、人々の関心が集まった。ユノユンホは『パイン：ならず者たち』で、その答えを示してみせた。「情熱は、いつか必ず届く」という信念。長年「大根役者」というレッテルを貼られながらも、情熱を絶やさず演技に挑み続け、今回の作品で、その信念が正しかったことを証明してみせた。
ユノユンホは7月16日に配信開始されたディズニープラスのオリジナルシリーズ『パイン：ならず者たち』（以下『パイン』）で、2年ぶりに演技に挑んだ。彼が演じたのは、作品の副題通り「ならず者」の地元のチンピラ。いかにも泥くさく風変わりな印象を与える「ボルグ」という役どころだ。派手なファッションにオールバック、ゆったりした話し方、ケンカ腰の態度。典型的なチンピラの姿をしている。そしてこのキャラクター設定は、ユノ・ユンホだからこそ作品に新鮮な風を吹き込んでいる。これまでの彼といえば、整った話し方に誠実で真面目な態度、そしてステージでは情熱を爆発させるエネルギーによって、“情熱のアイコン”として知られてきた。そうした洗練されたイメージこそが彼固有のアイデンティティである一方で、時に“枠”にもなっていた。そんな彼が『パイン』では、自ら殻を破り、体裁も気にせず、本気で変わってみせた。
ボルグという人物は、セリフひとつ、目つきひとつにも虚勢と無鉄砲さが入り混じったキャラクター。ユノユンホはそんな浮き沈みの激しい幼稚な感情を、自然に何食わぬ顔で、まるで自分自身であるかのように演じ、これまで見せたことのない新たな一面を引き出してみせた。この成果は、徹底した準備と意識の変化があってこそ生まれたものだ。ユノユンホは今回の役を通じて、自らの課題とされてきた分野を真正面から突破したのである。
『パイン』で、ユノユンホが初めて発するセリフは「おいソンジャ、何してるんや」（"야 선자야, 너 지금 뭣 허냐?"）。片思いの相手である喫茶店レジ係のソンジャ（キム・ミン）が、よそ者のヒドン（ヤン・セジョン）と一緒にいる姿を見かけたからだ。しなやかな足取りでソンジャとヒドンに近づく彼は、肩をすくめながら、あからさまに喧嘩を売るような態度を見せる。大げさなジェスチャー、軽薄そうな表情、わざと挑発するような口ぶりまで。ユノユンホは、ピリピリとナイフのように尖った田舎のチンピラ、ボルグそのものだ。セリフの一言に、誇張された言い回し、図々しさ、そして濃厚な“虚勢”までも詰め込んで、これまでに見せたことのない新たな顔を引き出してみせた。
変わったのは、目つきの使い方やトーンの精度だけではない。ユノユンホは、ボルグというキャラクターを通して、役作りそのもののスタイルを更新してきた。これまで主演として作品に臨んできた彼は、与えられた場面を丁寧にこなすことに注力していた印象が強い。だが『パイン』では、相手役との呼吸、シーン全体のテンポ、キャラクターが置かれている状況や流れ。そうした要素すべてを積極的に自分の演技に組み込んでいるように見える。特に、ソンジャにちょっかいを出すキム教授（キム・ウィソン）を意識する場面。ほんのわずかな視線の揺れからも、細やかなジェスチャーや感情の起伏が伝わってくる。単に「うまくやろう」と努力しているのではなく、キャラクターに深く入り込んでいる感覚だ。
そのため、小さな役どころながら、そのインパクトは決して小さくない。むしろ主演ではないという立場が、ユノユンホにとってはこの役をより大胆かつ自由に演じる余裕を抱かせた。過剰にならず、かといって平坦にもならず。ボルグというキャラクターにちょうどいい濃度と質感を加えながら、しっかりと存在感を刻んでいく。リュ・スンリョン、ヤン・セジョン、キム・ウィソンといった実力派の俳優たちに囲まれても、埋もれることはない。むしろ、作品に新たな息吹を吹き込む、予想外のスパイスとして作用している。
ユノユンホは今作を通して、これまで弱点とされてきた「演技」という課題を、ついに真正面から突破した。「10回斧を入れれば倒れない木はない」ということわざのとおり、ただひたすら情熱だけを頼りに何度もぶつかり続け、積み上げた誠実の結果が、不可能を可能に変える瞬間を生んだ。
『Thank U』の次のレッスンは、きっとこれだ。
情熱があれば、それでいい──単純で、だからこそ難しく、だからこそ信じたくなるその真理。
ユノユンホは演技でそれを証明してみせた。
