※本記事は、2025年7月23日に掲載されたユンホさんのパインに関する記事の日本語訳です。
▼原文出典

俳優チョン・ユンホには「大根役者」という不名誉なイメージがつきまとっていた。「1万時間の法則」を自ら体現し、ステージでは爆発的なパフォーマンスを見せてきたユノ・ユンホだが、カメラの前に立つときだけは、妙に小さくなってしまっていた。俳優としての彼に対しては、期待よりも不安の声のほうが多く、実際その結果も芳しくなかった。
情熱が彼を突き動かしたのだろうか、今月16日に公開されたディズニープラス『パイン:ならず者たち』でのチョン・ユンホは、過去とは180度違う。ボルグという人物を完全に自分のものにした印象だ。光州出身として方言を完璧に使いこなすのはもちろん、登場したシーンのすべてが「木浦生粋のチンピラ」そのものだ。
誠実さの代名詞だった彼は、整ったイメージさえ完全に捨てた。まさに田舎町のならず者である。
初対面のオ・ヒドン(ヤン・セジョン)の頬をぶっ叩き、「まずそうに食うな」と絡むシーンや、警察官ホンギ(イ・ドンフィ)が威張ると、ひそかにビビって後ずさりしながらも毒づく様子、兄貴分のファン船長(ホン・ギジュン)に仕事を回してもらえないと不満をあらわにする表情、力の強いキム教授(キム・ウィソン)が喫茶店の店員ソンジャ(キム・ミン)に馴れ馴れしく絡むシーンでは、微妙な反応を見せるなど、繊細な感情表現まで、あらゆる場面でボルグとして生きていた。

演技に迷い、手探りだったかつてのチョン・ユンホの姿は、もうどこにもない。この役を自分のものにするまでに、どれほど葛藤し、真摯に向き合ってきたのか想像もつかない。実力派俳優のキム・ウィソンやイ・ドンフィに囲まれれば、演技力の差はすぐに露呈するはずだが、チョン・ユンホはむしろ自分のカラーを発している。驚くべき飛躍だ。
決して大きな役ではないのに、際立って見える。評論家たちの反応も並々ならぬものだ。映画評論家のチェ・ガンヒ氏は、「まさかここまで演技がうまい俳優だったとは」とユノ・ユンホを絶賛し、すべての表情が生き生きしているとも評した。ネット上でも称賛の声が次々と上がっている。
現在3話まで配信されている『パイン:ならず者たち』には、称賛の声が相次いでいる。まだ大きな事件も起きていないのに、綿密に多層的な人間関係が描かれているため、たった2人が向き合うだけでも、緊張感が生まれる。ユン・テホ作家ならではの心に刺さるセリフ、1970年代を再現した映像美(ミザンセーヌ)、そして俳優陣の名演技――すべてが融合していると評されている。

虚勢だけを武器に生きるボルグは、これからホンギとヒドンの間で波乱を巻き起こす存在になる。歯茎に刺さった魚の骨のように、厄介な存在となりそうだ。
「1万時間の法則」の再来なのか、登場した瞬間からまぎれもなくボルグだったユノ・ユンホ。この先の話でも、彼が水を得た魚のように自由自在に泳ぎまわる姿が見られそうだと期待が高まる。